クロスバイクの選び方

タイヤの大きさや太さから最適な一台を選ぶ方法

タイヤは細いほどスピードが出しやすく太いほど乗り心地がよい、というようにクロスバイクに装着されるタイヤは、その自転車の乗り味を探る材料になります。

タイヤの大きさや太さから最適な一台を選ぶ方法

<広告>

タイヤ選びはクロスバイク選びの基本

タイヤはクロスバイクの走行性に大きな影響があります。基本的にホイールが大きい方がスピードを維持しやすいですが、こぎ出しはホイールが小さい方が速くなります。またタイヤ幅が狭いとスピードが出しやすく、広いと安定性が増します。

ホイールの大きさによる特長

ホイール スピード維持 漕ぎ出し
大きい スピードを維持しやすい 漕ぎ出しが重い
小さい スピード維持が難しい 漕ぎ出しが軽い

タイヤの幅による特長

タイヤ幅 スピード 安定性
広い スピードが出しにくい 安定性が高い
狭い スピードが出しやすい 安定させるのが難しい

クロスバイクのスペック紹介時、タイヤ部分は「700×28C」等と記載されています。これは、「ホイールの直径×タイヤ幅」を表しています。自分の使用シーンを想定しながら、自分にあったタイヤを選びましょう。

ホイールの大きさ

ホイールの大きさ

ホイールの大きさとは、ホイールの直径のことを指します。大きさはクロスバイクのこぎ出しの速さとスピード維持、小回りの利き具合に影響を与えます。直径が長い方が一回転させた時に進む距離が長いので、スピード維持は楽になります。

ホイールの直径で一般的なのは700C(27インチ径に相当)と26インチ(約66cm)。最近はマウンテンバイクを中心に29インチ(約73cm)も出回っています。数cmの差ではありますが、実際に乗ってみると乗り心地がまったく異なります。

ホイールの直径が大きいとタイヤまでの距離も長くなり、ショック吸収でも有利になります。ホイールの直径が小さいとショック吸収力は低下しますが、車輪およびタイヤは相対的に軽くなって踏み出しが軽くなります

一般的にホイールの直径が小さい自転車はホイールベースが短く、小回りがききます。逆に直進安定性が低くなりますので、長い距離は走りにくくなります。

ホイールの大きさ 特徴
26インチ(約66cm) こぎ出しが軽い / 小柄な人にオススメ
700C(約70cm) スピード維持が楽 / サイクリングにオススメ
29インチ(約73cm) スピード維持が楽 / 大柄な人にオススメ

タイヤ幅

タイヤ幅

タイヤ幅はスピードの出しやすさと走行安定性に影響を与えます。クロスバイクでは28~32Cが標準です(一般的なロードバイクが25C)。

タイヤ幅が広い(32C~)場合の特長

タイヤ幅が広ければグリップ力が高いので急坂の上りや下りが楽に走れ、バランスがとりやすく安定します。また、ショックを吸収する能力も高くなります

しかし、タイヤがショックを吸収するために変形することで、エネルギーロスも発生します。空気圧を上げればエネルギーロスは減少しますが、ショックは吸収されず乗り心地は悪くなり、地面とのグリップ力も落ちます。

タイヤ幅が狭い(~25C)場合の特長

タイヤが細くなれば、路面抵抗が少なくスピードを出しやすくなります。ただし、細いタイヤは常に空気圧を高くしておかないとちょっとした衝撃でパンクすることもあるので段差を越える時などに注意が必要になります。

タイヤ幅が細いうえに空気圧を上げれば乗り心地は悪くなります。そのためクロスバイクは、車輪や車体で路面からのショックを吸収する工夫がされています。

タイヤの太さ 特徴
細い 25C ロードバイクレベル。スピード抜群だが、パンクに細心の注意が必要。
28C スピードが重視されているサイズ。
  32C スピードと安定性が両立されたサイズ。
  35C 安定性が重視されているサイズ。
38C かなり安定性が重視されているサイズ。
太い 2.1 マウンテンバイクレベル。安定性抜群。

タイヤのパターン

タイヤ表面の溝やブロックの形状をタイヤパターンと呼びます。タイヤのパターンが粗いほど泥や岩などの悪路でのグリップ力が高く、溝がないほど舗装路で抵抗が少なく、タイヤの転がりが軽快になります。

もちろん、タイヤに使われるゴムの質や構造によっても左右されますが、おおまかな目安として覚えておいてください。

スリックタイプ

出典 Amazon

表面に溝がない、もしくは溝が少ないタイヤパターンのことで、ロードバイクやクロスバイクの他、街乗り用のモデルに採用されています。スリックタイプは路面抵抗が最も少なくなりますので、乾いた舗装路を走るのに最適です。

一方、ツルツルのスリックタイプは雨天時でもスリップせず走れるかですが、細い分、1点にかかる圧力が高いため、クロスバイクの速度域であれば滑って走れないということはありません。ただし濡れた路面は摩擦が少ないため、晴天時よりもスリップしやすいので注意が必要です。

セミスリックタイプ

セミスリックタイプ

出典 Amazon

街中で走ることを目的としたMTBや通常のクロスバイク、ツーリング用に採用されるタイヤがセミスリックタイプ。タイヤの中央は溝が少ないため、直進時に軽く転がり、コーナリングでは、サイドのブロックによってスリップしにくい特性になっています。

ブロックタイプ

ブロックタイプ

出典 Amazon

表面がデコボコ状になっているのが特長のブロックパターンのタイヤは、MTBで使われるタイヤ。土や砂利が敷かれた路面で泥詰まりが少なくグリップを確保するために使われます。急坂を上るとき、後輪に強い力を加えてもスリップが起こらず登坂能力の高さが特徴です。

幅が太いほどダウンヒル目的のモデルで多く採用され、クロスカントリーモデルでは転がりの軽さも狙い細めのブロックタイヤが使われます。

  スリックタイプ セミスリックタイプ ブロックタイプ
転がりやすさ
グリップ力

おすすめのタイヤサイズとタイヤ幅

クロスバイクのフィールドはあくまでも市街地。そこには段差もデコボコもありますので、最低限の快適性は備えていたいはずです。そのうえでロングライドも存分に楽しめるものを選ぶとよいでしょう。

そこで当サイトでおすすめするタイヤ幅は28Cから32Cサイズのものです。28Cから32Cサイズなら市街地での適度な快適性と長距離での優れた走行性を兼ね備えております。ロードバイクに使用されているようなタイヤ幅の25Cでなくても、十分に早さと快適さを味わえます。

なお、タイヤサイズは700Cのものがほとんどなので、あまり気にしなくてよいでしょう。

タイヤは交換できる

タイヤは購入後に交換できます。一般的なクロスバイクについているホイールであれば、23Cから35Cまでのタイヤが装着できるため、慣れてきたらタイヤを変えて走行感を変えることもできます。

タイヤは消耗品であり、1年から2年でタイヤは交換することになるので、交換の機会に少し細いタイヤである25Cサイズに変えてみるのもおすすめです。

その際は、ロードバイクで用いられるようなちょっと良いタイヤを購入すると良いでしょう。

パナレーサー レース A エボ4(700×25C)

パナレーサー レース A エボ4[700×25C]

出典 Amazon

  • 軽く高いグリップ力
  • 高い耐パンク性能
  • 太さ:25C(殆どのクロスバイクに装着可能)
  • 転がり抵抗が少ないためよく走る